ゲスト付きの交流会
6月28日(月)10:00~12:00 zoomにて「学校以外の学びの場から見えてくること」というタイトルで交流会を開催いたしまた。
参加者は正会員10名。そのほかに来年1月の交流会でゲストスピーカーを担当してくださる講師の方がオブザーバー参加してくださいました。
不登校専任の家庭教師
今回ゲストスピーカーにお招きしたのは、当会の賛助会員でいらっしゃる平岡明美氏です。不登校専任の家庭教師をしていらっしゃいます。
教科学習以前に、その子その子に合った環境を提供することで、学ぶことの楽しさを知ってもらおうとされています。
はじめに平岡氏の自己紹介を簡単にしていただき、これまでのご体験や、そこから培われてきた教育観などを30分ほどお話していただいた後、近況を交えて感想や思いなどをみなさんにお話しいただきました。
平岡氏が現在に至るきっかけは、教員志望で教育実習に行った時に、三分の二の子どもが理解できれば授業として成功だという言葉に愕然としたご経験だそうです。
残りの三分の一の子どもたちはどうなるのかという思いを抱きつつ、複数の外国で長期ボランティア活動などを経験する中で、現在に至る教育観をはぐくんでこられました。
不登校の子どもたち
国際的な視野を持って日本の教育現場を見たときに浮かび上がってくるのは、他からどう見えるかを必要以上に気にする「日本人」であり、平均、均質、一律であることが強く求められ、子どもたちはそれに合わせなければならない。
不登校の子どもたちと接していると、そうした周りの目や均質一律に傷ついている子が多い。
そうした子たちは共通のテーマは苦手でも、出来ることはある。
できることに光を当てる。
大事なのは、社会や大人が決めた基準に子どもたちを一律に当てはめることではなく、個々の子どもたちに寄せて環境を整えることではないか。
そのように語ってくださいました。
日本で「肌色」は一色だが、アメリカでは肌色のクレヨンは10色ほどがセットだというお話が印象的で、日本固有の文化的事情で、発達障害の人たちがより生きにくくなっていることをあらためて感じました。
怒りについて
また、人と対するときに抱くイラっとした怒りについてのお話も、興味深かったです。怒りは、理想の追求と現実への不満から生まれる。理想と現実のギャップが大きければ大きいほど、怒りは大きくなるとのこと。
そう言われてみると、相手に対して勝手なイメージや基準を当てはめて期待し、期待が裏切られると怒りの感情が湧くということは、自分自身にも当てはまるように思います。
私たちが子どもに対して怒りの感情が湧いたり失望したりするのも同じ。
子どもに対して一方的な願いや基準を勝手に押し付けてはいないか。子どものありのままの姿を見、受け入れているか、という問いかけをいただきました。
他と異なっていることは悪いことではない
いかに親たちが煩悩にとらわれず、ノルマに追われることなく、人の目を気にすることもなく本来の学ぶ楽しさを知ることができるかが大事だと、参加者のお1人が本田秀夫先生の言葉をその場で紹介してくださいましたが、
日常的に自閉症スペクトラムと関わる私たち親と、不登校の子どもたちと教育の面で関わっていらっしゃる平岡氏とでは立場は違いますが、
子どもたちにとって幸せな環境とはということにおいて、とても共有共感できる交流会となりました。
他と異なっていることは決して悪いことではないのだという受け止め方をする人を増やすために、共通のミッションがあるようにも思いました。
現在過剰適応して苦しんでいる方、過去の辛い経験から自身に高い基準を課して苦しんでいる方、居場所が見つからなくて絶望していらっしゃる方たちにとっても、それは本当に救いになることであろうと思いました。
講師を引き受けてくださった平岡氏には、貴重な考えるきっかけを与えていただいて、心から感謝申し上げます。
今後の予定
高機能アスペルガー部のチラシをご覧ください。
お試し参加について
交流会って、どんな雰囲気なの?と心配な方のために、「交流会」「ゲスト付交流会」の日は未入会の方でも 1回のみお試し参加できます。お気軽にご連絡下さい。
なお、他の参加者と同様にお顔出しとお名前の表示をお願いいたします。
参加ご希望の方は、メールのタイトルを「〇月〇日 参加希望」とし、
- 参加者名
- 正会員/賛助会員/非会員(お試し参加)
- お子さんの年齢
を明記の上、askyoto@shirt.ocn.ne.jp までご連絡ください。
Zoom ミーティングに参加するための URL を事前にお送りします。