ポジティブ行動支援とは
ポジティブ行動支援(Positive Behavior Support:PBS)とは、
「ポジティブな行動(子どもの望ましい行動)を
ポジティブな方法(教える・促す・価値づける)で増やそう」という支援の考え方です。
応用行動分析学(Applied Behavior Analysis:ABA)の理論や技法がベースとなっています。
「行動問題を減らす」から「望ましい行動を増やす」へ
子どもの行動問題に直面した時、
多くの先生は「行動問題を減らそう」と考えるでしょう。
それはとても自然なことですが、こうした考えで対応すると、
どうしても行動問題にばかり目が行ってしまい、
注意・叱責や説教、ペナルティなどのネガティブな対応に傾いてしまいます。
ネガティブな対応では決して問題は解決しませんし、
子どもも、先生も疲れ果ててしまいます。
そこで、「行動問題を減らそう」と考えるのではなく、
「望ましい行動を増やそう」と考えてみましょう。
例えば、授業中に教室を飛び出してしまう子どもであれば、
「飛び出しを減らそう」と考えるのではなく、
「教室で活動する行動を増やそう」と考えます。
目的は「子どもの幸せ」
本事例集には、山口県内の特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室や通常の学級において、
試行錯誤を繰り返しながらもASDのある子ども達の心に目を向け続け、
ポジティブに関わり続けた先生方の軌跡が記されています。
ポジティブ行動支援の目的は「子どもの生活の質(Quality of Life:QOL)の向上」です。
もっと簡単に言えば「子どもの幸せ」です。
本事例集を参考にしていただきながら、
ぜひ子どもの心のメッセージに目を向けていただき、
子どもの幸せのために取り組んでいただければと思います。
(「発行にあたって」から抜粋)