コロナ禍に思う、
リスク回避そして可能な限りの配慮を!
京都市児童福祉センター診療所
小児科医 子どもの心相談室
市川澄子
海外の研究において「知的障害,精神疾患は新型コロナウィルスに感染するリスクや重症化リスクを上昇させる」と報告され精神疾患や知的障害(療育手帳を所持している)を持つ方の優先接種が始まりました。
「接種券が届いたけれど 、 打っても大丈夫でしょうか?」
「集団が苦手で接種会場で落ち着いて打てるとはとても思えません。」
「パニックおこして暴れるかも・・・」
等々不安の声が相次ぎます。
障がいがあってもなくても、ワクチン接種における自己決定権 、 つまりコロナやワクチンのことを理解し自分で判断し決めることは重要な課題で 、
また行動決定のためにすべき事は多く(門眞一郎:子供の人権について「臨床精神医学講座第11巻 児童青年期精神障害」中山書店) 、 専門家のアシストも必須だと思います。
アナフィラキシーショックの頻度 、 副反応について 、 死亡例について 、 因果関係は不明のまま?どこまでわかった?
等々 、 溢れる様々な情報 、 医学論文から 、 現時点で正しいとされていることをお伝えしながらも 、 悩まれている方の根底にある不安を払拭出来たとは思えない日々が続きます。
「以前ワクチンで高熱が出て,体調を崩した。それ以来予防注射は受けていない」
「不調になっても自分で訴えることが出来ないし 、 とても心配です」
本当にそうだと思います。
過去に例のない新しいタイプのmRNAワクチン、未知のことも多く医療者でも迷います。
でも副反応は2~3日で回復すること、重症化は防げるなどの健康上のメリットや、自分の身内には接種を勧めていることなどをお話しし、熟慮、納得して行動していただけるよう注力しています。
「本人が打つのは無理だと思うので家族が早く受けようと思います。でも予約がとれない」
と切実な声を聴きながら、感染予防も含めたさまざまな局面で出来るだけリスクを減らしたい、ワクチンを打つ際も慣れた場所やスタッフがいるなどの整った環境で、視覚支援なども受けながら
「『1,2,3』数えたら終わります」
「上手に打てました」
と、少しでも安心できる空間があればと痛切に感じています。
ワクチン接種時の視覚支援絵カードは美大出身で介護の知識を持つ友人(酒井かがりさん)の力作です。
著作権では保護されていません!どうかご自由にお使い下さいとのことです。
追伸
「おかげ様で無事打てました」
「絵カードしっかり見てました」
「ドク ターが車まで来てくれて,シートに固定して打つことができました」
などのご報 告もいただいています。
新型コロナウィルスが終息し再拡大が防止され、大切な命が守られることを心から願います。
ワクチン接種時にお使いいただける「視覚支援絵カード」
酒井かがりさんが作られたワクチン接種時にお使い頂ける「 視覚支援絵カード 」です。
ご自由にお使いください。
スマートフォンから画像を保存する方法
スマートiPhone、Androidのどちらも、Webサイトなどにある画像を保存する基本的な方法は、表示された画像を長押しすることです。
Google ChromeやSafariといったブラウザアプリを立ち上げ、画面上の画像を長押しすると、
Androidでは「画像を保存」
iPhoneでは「“写真”に追加」
または「イメージを保存」
と表示されます。
その表示をタップすると、画像のダウンロードが実行されます。
パソコンから画像を保存する方法
パソコンをお使いの方は以下リンクより画像をダウンロードしていただけます。
視覚支援絵カード
